本ドキュメントは、口述メモ hand-written/cigarette.txt に記された恋物語の構想を、第2回 AI日本国際映画祭(AIFJ 2026)ナラティブ部門への応募を前提に、シーン単位の構成表(箱書き)へ整理したものです。合計尺はエンドロール込みで 10分00秒 に設計しています(部門規定は90秒以上15分以内)。
原案は、二人の男女の関係を「嗜好の入れ替わり」というモチーフで描く物語です。男性 A はコーラとタバコが好き、女性 K はコーヒーとタバコが好きという設定から始まり、疎遠になる過程で互いの好みが入れ替わっていきます。原案の口述メモから、物語の核となる部分を引用します。
最初はコーラが好きだったAがKのようにコーヒーとタバコが好きになっていくというようなシーンがあった方がいいかなと思いました。AはKを思い出しながらコーヒーとタバコを吸うみたいなところですね。で、Kに関してはアメリカに行くわけなんですけれども、そこでコーヒーがもともと好きだったんですけど、コーラとタバコを吸うようになると。これもやっぱりKはAをおもってのことだったっていうことですね。
[cigarette-memo (2026/08), hand-written/cigarette.txt]
原案メモに対して、打ち合わせで次の2点の修正が確定しています。本箱書きはこの修正後の内容を正とします。
さらに 2026-08-27 の追加口述により、各箱の会話の要点と小道具が具体化しました。主な追加は次のとおりです。
追加口述には話者の入れ替わりと思われる箇所が2つあり、本ドキュメントでは次のように解釈しています(未確定事項 にも記載)。
応募先である AIFJ 2026 の AI ムービー・ナラティブ部門には、次の規定があります。箱書きの尺設計はこれらを前提とします。
喫煙・飲酒の描写について補足します。同部門の禁止事項は著作権侵害・無断ディープフェイク・差別表現・ヘイトスピーチ・ポルノグラフィ・過度の暴力であり [aifilm-jp (2026/08), 応募要項]、喫煙描写と20歳の飲酒描写(日本の法定飲酒年齢は20歳)はこれに該当しません。ただし高校生時点の A と K にはタバコを持たせない構成とし、喫煙描写は20歳以降の箱に限定します。これは規定違反を避けるためではなく、未成年喫煙の描写自体を避けるための本ドキュメントの提案です。
物語は全6箱で構成します。構成上の判断は次の3点です。
合計尺は当初、規定上限15分に合わせて 14:30 で設計しましたが、2026-08-27 の打ち合わせで 10:00(本編 9:15 + エンドロール 0:45) へ短縮することを決定しました。理由は次の2点です。第一に、カット数は尺にほぼ比例するため、尺の短縮は生成・選別・編集の作業量を直接減らします。第二に、この作品は事件ではなく空気感で見せる類の物語であり、長尺は間延びのリスクを高めます。短縮にあたり各箱の担う内容(会話の要点)は削らず、1箱あたりのカット数と1カットの滞空時間を切り詰める方針とします。箱4(モンタージュ)は引き続き、全体の尺調整の伸縮バッファとします。
各箱の「起きること」と「会話の要点」は原案メモおよび 2026-08-27 の追加口述に由来する内容、「演出メモ」は本ドキュメント作成時の提案(自作)です。会話の要点は台詞の設計図であり、実際の台詞は脚本化の工程で書きます。演出メモは脚本化の際に取捨選択してください。
| 場所・時間 | 高校の写真部部室(散らかった、情感のある空間)、放課後 |
|---|---|
| 登場人物 | A(高3・男)、K(高3・女) |
| 起きること | A と K が写真部の仲間であること、A はコーラ好き、K はコーヒー好きであることを提示する。二人は大学の志望校を言い合い、互いに大学へ進むことを確認する。 |
| 会話の要点 | 志望校を言い合う。二人とも大学に行くという事実がここで観客に伝わる。 |
| 演出メモ | 提案: 散らかった部室(機材、乱雑に貼られた現像写真、飲みかけのコーラの瓶とコーヒーカップ)で二人の関係と嗜好を画で提示する。タバコはこの箱では出さない(未成年のため)。以降すべての箱で反復する「飲み物の画」をここで確立する。同じ大学に進むことは、ここでは明かさず箱3で分かる形にしてもよい(演出判断)。 |
| 尺 | 1:00(累計 1:00) |
| 場所・時間 | SNS 画面 → A の車内 → 二人だけの海岸、高3の修了式の日 |
|---|---|
| 登場人物 | A、K |
| 起きること | A が Twitter に「今日の修了式に出るか迷う」と投稿し、K が「海行こう」と返信する(発言者の割り当ては解釈。未確定事項 参照)。修了式をサボり、免許を持つ A の運転で海へ行く。K は免許を持っていない。A は K を被写体に、誰もいない海で写真を撮る。 |
| 会話の要点 | 車中は「この間みんなで行ったさ」のような、以前の集団での外出を引き合いに出す気安いノリの会話。二人きりであることを特別視しない空気を作る。 |
| 演出メモ | 提案: 冒頭の SNS のやりとりはスマートフォン画面のカットで見せる。実在サービスの画面をそのまま再現すると商標・意匠の問題があり得るため、それと分かる架空の UI にするのが安全。車内では K が助手席で缶コーヒー、A が運転席にコーラのペットボトルという配置で嗜好を反復する。撮影シーンはファインダー越しの K の表情を軸にし、二人の「恋人未満」の距離をレンズ越しの視線で表現する。 |
| 尺 | 2:15(累計 3:15) |
| 場所・時間 | 福岡県のとあるビルの屋上、20歳の初夏の夜(2026-08-27 の参照画像制作時に季節を確定) |
|---|---|
| 登場人物 | A(20歳・大学生)、K(20歳・大学生) |
| 起きること | 同じ大学に進んだ二人がビルの屋上に忍び込み、福岡の夜景を見ながら缶チューハイを飲む。他愛のない会話の流れで、K の引っ越し(渡米)が明かされる。A はここでも K を被写体に写真を撮る。 |
| 会話の要点 | (1)「大学どう?」「バイトどうだ」といった近況の他愛のない会話。(2) K が突然「今度うち片付け手伝いに来てよ」と頼む。A が「どうして?」と聞くと、「引っ越すから。海外行くから」と返り、A は K のアメリカ行きを知る。(3) その会話が終わった後、K が「そういえばタバコ吸い始めたんだ」と A に言う(話者は解釈。未確定事項 参照)。A は「なんかやってらんなくてさ」と理由をこぼし、K が「私も」と受ける。そこから A が「コーラとタバコ、相性合うんだぜ」と続け、K は「コーラは子供すぎるでしょ。私はコーヒー派だな」と返す。 |
| 演出メモ | 提案: 二人とも20歳になったので、ここでタバコの画を解禁する。この時点の組み合わせは A =コーラ+タバコ、K =コーヒー派+タバコであり、入れ替わる前の嗜好が台詞で明示される、物語上の基準点となる。渡米の告知は「片付けの依頼」という日常の頼み事に包んで軽く落とし、A のリアクションを長回しで受ける。「なんかやってらんなくてさ」「私も」のやりとりは、二人が同じやるせなさを共有していることを示す。タバコが二人を結ぶモチーフである理由がここで裏づけられるため、軽い調子のまま、間を大切に演出する。 |
| 尺 | 3:00(累計 6:15) |
| 場所・時間 | 日本(A の日常)とアメリカ(K の日常)、渡米後の数年間 |
|---|---|
| 登場人物 | A、K(別々の場所、二人が同じ画面に入ることはない) |
| 起きること | 二人は次第に疎遠になる。A は K を思い出しながら、K のようにコーヒーとタバコを好むようになる。K はアメリカで、A を思ってコーラとタバコを好むようになる。 |
| 演出メモ | 提案: 日本とアメリカのカットを交互に並べ、A の机からコーラが消えてコーヒーに替わる過程、K の手元にコーラが現れる過程を、台詞なし・音楽主導で見せる。箱1から反復してきた「飲み物の画」の入れ替わりだけで語る。追加口述の時点で具体的なイメージは未定とされており(モンタージュ的な動画になる、という方向性のみ確定)、詳細はショットリスト工程で詰める。全体の尺調整の伸縮バッファもこの箱が担う。 |
| 尺 | 1:30(累計 7:45) |
| 場所・時間 | 喫煙可能なカフェ、現在(禁煙が一般化した時代。A と K は30〜35歳) |
|---|---|
| 登場人物 | A と A の友人(同性)、K と K の友人(同性)。A と K は互いに気づかない |
| 起きること | A と K はそれぞれ別の人と結ばれており、薬指には指輪がある。各々が同性の友人と別のテーブルで話しており、二人は気づかないうちに背中合わせの席に座っている。互いに相手を認識しないまま、A はコーヒーを、K はコーラを注文する。そこで幕が下りる。 |
| 会話の要点 | それぞれの席で、最近の結婚生活の話(A 側: 家を買いたいと言われている。K 側: 新婚旅行はヨーロッパ)や、「禁煙の時代にタバコが吸える店なんて珍しいよね」といった、本当に他愛のない会話をする。K がコーラを注文した後、K の友人が「コーラとタバコって合うの?」とからかう(2026-08-27 のコメントで追加)。 |
| 演出メモ | 提案: 薬指の指輪は手元のカットで示し、台詞で説明しない。「タバコが吸える店は珍しい」という台詞が時代(現代)と場所の特殊性を一度に説明してくれるので、字幕やナレーションによる時代の説明は不要。幕引きは友人の「コーラとタバコって合うの?」で、箱3の屋上で K が A のコーラをからかった構図が年月を経て K 自身に向けられる呼応になる。K は言葉で答えず笑みだけで受ける。 |
| 尺 | 1:30(累計 9:15) |
| 内容 | クレジット表記。AIFJ の規定によりエンドロールも上映時間に含まれるため、設計目標 10:00 の内数として 0:45 を確保する。 |
|---|---|
| 演出メモ | 提案: 背景に本編で A が撮った K の写真(ビーチ・屋上)を静かに流すと、写真部というモチーフを回収できる。 |
| 尺 | 0:45(累計 10:00) |
cigarette.txt に由来する仮題であり、未確定です。