短編映画(仮題)「シガレット」ショットリスト

作成日 2026-08-27 / 上位文書 20260827-cigarette-hakogaki.html(10分構成版)

本ドキュメントは、箱書き(20260827-cigarette-hakogaki.html)で確定した10分構成を、カット単位の設計表(ショットリスト)へ展開するものです。構成・尺・会話の要点は箱書きを正とし、本ドキュメントはその内数でカットを割ります。全6箱の初稿を作成済みです。カット割り・カメラ・仮台詞はすべて提案であり、原案者のコメントを受けて改稿します。

  • 全6箱を計87カットに分割しました(箱1: 10、箱2: 21、箱3: 25、箱4: 14、箱5: 14、箱6: 3)。エンドロールを除く本編84カット・9分15秒で、1カットの平均は約6.6秒です。各カットの尺は余白を持たせた設計値であり、制作中に短く詰める調整は歓迎です(2026-08-27 のコメント)。
  • 台詞のあるカットは、動画生成 AI のリップシンク(口の動きと音声の同期)が実用水準にあるという前提で、顔と口元を普通に映して設計しています(2026-08-27 のコメントで方針変更。当初の「口元を隠す」設計は全廃)。後ろ姿や手元のカットは、演出上の意図がある場合にのみ残しています。
  • カットごとの生成で声質がぶれる問題は、音声変換(生成済みの声を、あらかじめ決めた目標の声質に変換する技術)で A・K それぞれの基準声に統一します。
  • 台詞の具体的な文言はすべて仮のもの(本ドキュメントの提案)です。箱書きの「会話の要点」の範囲内で書いていますが、決定稿は脚本工程で作ります。
  • 箱5の A と K は30〜35歳の設定です(2026-08-27 のコメントで確定)。顔は普通に見せ、背中合わせで互いに気づかないという構図は維持しています。
  • 人物・小道具・ロケ地の一貫性は、動画生成の前に画像生成で参照画像を作って固定し、各カットの生成時に参照させる方式で担保します。全箱共通の親リストは 専用の節 に、箱ごとに必要な参照画像の抜粋一覧は各箱の表の前に置いています。生成時のプロンプト管理と AIFJ の AI 利用開示の基礎資料を兼ねます。

記法と各欄の意味

各箱のカットは1つの表にまとめます。表の各欄の意味は次のとおりです。

  • カット — カット番号と尺。番号は箱をまたいで通し番号にせず、箱ごとに C01 から振り直します(箱2以降は例: 箱2-C01)。尺は秒単位の設計値です。
  • 画面の内容とカメラ — 何が映るか、およびショットサイズとカメラの動き。ショットサイズは、人物や被写体をどの距離で切り取るかの呼び名で、遠い順にロング(全身と周囲)、ミディアム(腰から上)、クローズアップ(顔や手元などの部分)を使います。カメラの動きは、固定(フィックス)、左右の首振り(パン)、被写体への接近(寄り)を使います。
  • 音・台詞 — そのカットで聞こえる音。「オフ」は画面外から聞こえる声を指します。台詞の文言は仮です。

表の前には、その箱で必要な参照画像(動画生成前に画像生成で用意する、人物・場所・小道具の画像)の一覧を置きます。全箱をまたぐ親リストは 全カット共通の固定要素 の節にあり、各箱の一覧はそこからの抜粋に、その箱に固有の項目を加えたものです。表の後には、その箱に固有の生成上の留意点をまとめます。

全カット共通の固定要素

生成 AI でカットを個別に作る場合、カット間で人物の顔・服装・小道具・光が変わってしまうことが最大の破綻要因です。対策として、次の要素は 動画生成の前に画像生成で参照画像を作って固定 し、各カットの動画生成時にその画像を参照させます(2026-08-27 のコメントで確定した制作方式)。この一覧はそのまま参照画像の作成リストであり、AIFJ が求める AI 利用の開示(どの工程で何を生成したか)の基礎資料も兼ねます。

  • A の外見 — 高3時点: 男子高校生。箱1(部室)は制服のブレザー、箱2(修了式をサボって海へ行く日)は私服で、ライトグレーのパーカーに黒のコーチジャケット・黒デニム。制服・私服それぞれのキャラクターシートを作る。20歳時点(箱3・箱4前半): 私服の大学生。現在(箱4後半・箱5): 30〜35歳の社会人の私服、左手薬指に指輪。いずれも首から一眼レフカメラを提げていることが多い(箱5を除く)。3時期それぞれのキャラクターシートを画像で作り、同一人物に見えることを画像段階で確認する。
  • K の外見 — 高3時点: 女子高校生。箱1は制服、箱2は私服で、オフホワイトの大きめニットに膝下丈の黒のプリーツスカート。A と同じく制服・私服の2種のシートを作る。20歳時点: 私服の大学生。現在: 30〜35歳の社会人の私服、左手薬指に指輪(A の指輪とは別デザイン)。3時期のキャラクターシートを作る点は同上。
  • ロケ地 — 部室(箱1)、海岸(箱2)、中くらいの高さのビルの屋上と夜景(箱3。最上階の高層ビルではなく、周囲のビルの明かりが近くに見える高さ)、カフェ店内(箱5)の4箇所。場所ごとの参照画像(引きの全景と主要アングル)を先に作り、同じ場所のカット間で背景を揃える。
  • 小道具 — A のコーラ(瓶)、K の缶コーヒー、A の一眼レフカメラ、現像写真の束、缶チューハイ(箱3)、タバコ2種(箱3以降。A 用=生成りのソフトパック+濃紺の帯/K 用=臙脂のハードボックス+細い灰白の線。箱4で二人の間で入れ替わる)、指輪2種(箱5のみ。箱4の結婚式カットを落としたため)、スマートフォン(箱2)。それぞれ参照画像で造形を固定する。飲料・タバコのラベルはすべて架空の銘柄で、名前まで入れてある — タバコは A 用 HARBOR / K 用 CRANE、コーラは NAGI COLA、缶コーヒーは KOHAKU、缶チューハイは PUNCHING ZERO。無地のラベルは商標を避けた結果ではなく「見たことのない世界」に見えるため、名前を入れている。ただし名前より先にラベルの造形が商標である点に注意する — 赤地に白の筆記体とリボンなら、何と書いてあっても実在ブランドのトレードドレスになる。コーラは輪郭瓶をやめて直胴の瓶にし、リボンを廃して水平の帯とサンセリフ大文字にしてある。
  • 声 — A・K それぞれの基準声(声の高さ・年齢感・話し方)を先に決め、全カットの台詞音声を音声変換で基準声に揃える。参照画像と同格の「参照音声」として扱う。
  • 光の基調 — 箱1・箱2: 3月の昼〜西日の暖色。箱3: 初夏の夜。夜景の点光源と青い夜。箱4: 日本は夜の寒色、アメリカは昼の乾いた暖色で対比。箱5: 午後の店内の柔らかい光。詳細は各箱の表と留意点で指定する。
  • 画面仕様 — 16:9、FHD(1920×1080)、実写調。

箱1 導入 — 部室と志望校の会話(1:00)

箱1の役割は、(1) A と K が写真部の仲間であること、(2) A =コーラ、K =コーヒーという嗜好、(3) 二人とも大学へ進むこと、の3点を1分で観客に渡すことです。志望校の会話は C05〜C08 に置き、嗜好の提示は C03 と C09 の小道具の画に任せます。タバコはこの箱では出しません(未成年のため。箱書きの方針に従う)。

箱1の参照画像

  • 人物 — A 高3版(制服、首から一眼レフ)、K 高3版(制服)。3時期キャラクターシートのうち高3版。
  • 場所 — 校舎外観(3月の放課後、西日。C01用)。写真部の部室(散らかった機材、壁一面の現像写真、積まれた雑誌、西日の入る窓。C02〜C09の全アングルの基準)。
  • 小道具 — コーラの瓶(飲みかけ)、缶コーヒー、一眼レフカメラ、机上の現像写真の束、壁貼りの写真群(部活動の記録写真。うち1枚は海の風景写真で C10 の寄り先)。
カット 画面の内容とカメラ 音・台詞
C01(5秒) 3月の放課後の校舎外観。西日が壁を染める。ロング、固定。 環境音(風、遠くの部活動の声)。
C02(6秒) 部室の内観。散らかった機材、壁一面に貼られた現像写真、積まれた雑誌。ゆっくり右へパン。ここにタイトルを重ねる(提案)。 環境音の続き。かすかに紙をめくる音。
C03(5秒) 机の上のクローズアップ。飲みかけのコーラの瓶と缶コーヒーが並ぶ。奥に写真の束。固定。 環境音。K が写真を繰る音。
C04(6秒) 窓際で一眼レフを構え、ファインダーを覗く A の横顔。ミディアム、固定。 シャッター音。
C05(6秒) 机の写真の束から顔を上げる K。ミディアム、固定。 K「ねえ、大学どうすんの」
C06(7秒) カメラを下ろして振り向く A。切り返し。ミディアム、固定。 A「んー、○○大かな。写真続けたいし」(志望校名は未定)
C07(7秒) 少し得意げな K の切り返し。西日が顔に当たる。ミディアム、固定。 K「私も大学は行くよ。△△大」(志望校名は未定)
C08(6秒) 部室全体を横から捉えた引きの画。散らかった部室の中に二人。西日が床に長い影を落とす。ロング、固定。 A「じゃあお互い、大学生か」 K「想像つかないね」笑い声。
C09(6秒) 手元のクローズアップ。A がコーラの瓶を取り、ひと口飲む。画面奥のピントの外で K が缶コーヒーを傾ける。固定。 炭酸の音。環境音。
C10(6秒) 壁の現像写真へゆっくり寄る。過去の部活動の写真の中に、海の風景写真が1枚混ざっている。寄り。 環境音が引いていき、次箱冒頭の通知音(SNS)へ音のみ先行してつなぐ。

合計 60秒(C01〜C10)。箱書きの設計値 1:00 と一致します。

箱1の生成上の留意点

  • 人物が写るカットには、ボケていても必ず人物の参照画像を入れる(2026-08-31 の教訓)。 C09 で K の制服が本編のブレザーではなくセーラー服になっていました(原案者の「Kの制服が異なっている」)。原因は単純で、このカットのプロンプトに人物の参照画像が1枚も入っていなかったことです。手元と飲み物が主題のカットだったので、ロケ地と小道具の参照だけで組んでいました。参照が無ければモデルは制服を発明します。ピントが合っていなくても、人物が画にいるなら参照を入れる。あわせて「セーラー襟ではなくブレザーとネクタイ」と文章でも書いています。
  • 台詞はリップシンク込みで生成する。 会話カット(C05〜C08)は顔を映し、口の動きも生成します。カットごとに声質が変わるため、生成後に音声変換で A・K の基準声に揃えます(全箱共通の方式)。
  • C10 は箱2への橋渡し。 海の写真と SNS の通知音で次の箱を予告します。箱2冒頭の SNS 画面カットと音をまたいで接続するため、編集時にこの2カットは一体で調整します。
  • タイトルの位置は提案。 C02 のタイトル重ねは提案であり、タイトルを冒頭に置かず箱2の海の画に重ねる選択肢もあります。決定は編集工程に委ねます。
  • 志望校名は未定。 C05・C06 の校名は物語上の実質的意味を持たないため、脚本工程で決めます。実在校名を使うかぼかすかも同時に判断します。

箱2 ビーチ — Twitter のやりとりと修了式の日(2:15)

箱2の役割は、(1) SNS のやりとりから海行きが決まる導入、(2) 気安いノリの車中、(3) 二人だけの海での撮影、の3段です。SNS の画面は架空の UI で作り、実在サービスの再現を避けます。二人は制服ではなく私服です(下の留意点を参照)。21カット・計135秒です。

箱2の参照画像

  • 人物 — A 高3版・K 高3版の私服キャラクターシート(sheet-highschool-casual)。顔と髪型は箱1と共通の制服シートから起こしてあり、違うのは服だけです。箱1(部室)は制服、箱2は私服で、同じ高3の二人が服だけ変わります。
  • 場所 — 朝の住宅街(C03用)、海沿いの道(C05用)、海沿いの駐車場(C10用。シャッターの下りた海の家と自販機、ガードレール、砂浜へ降りる階段。オフシーズンで一台も停まっていない)、誰もいない3月の海岸(C11〜C21の全アングルの基準。砂浜・波打ち際・二人が座る位置)。
  • 小道具・画面 — A の車(車種・色を固定。外観と車内・ダッシュボードの2種)、スマートフォンと架空 SNS の UI 画面2種(A の投稿画面・K の返信付き画面。C01・C02用)、コーラの瓶、缶コーヒー、細長い流木(K の身長ほどの、白く晒された一本。C12・C14・C15・C17 で K が持ちます。海岸のプレートに元から転がっているものを拾った、という体で、専用の参照画像は作らず砂浜のプレートの流木で足ります)。
  • 劇中写真 — A が撮ったビーチの K の写真(C16 の静止画インサート用。箱4 C13・箱6 C01 でも再利用するため、この箱の生成時に確定させる)。流木を構えて笑う Kの1枚にしてあります。C14 と同じ連写の別コマという想定で、構図は完全には一致させていません。
カット 画面の内容とカメラ 音・台詞
C01(5秒)スマートフォン画面(架空 UI)。A の投稿「修了式、出るか迷うな」。画面のみ。箱1末尾から続く通知音。指のタップ音。
C02(4秒)同じ画面に K の返信が付く。「海行こう」。画面のみ。短い通知音。
C03(5秒)朝の住宅街。A の車が来て停まる。ロング、固定。エンジン音、鳥の声。
C04(5秒)助手席へ乗り込む K(私服)。笑顔が見える。車内からのミディアム。ドア音。K「おはよう、不良少年」
C05(7秒)海沿いの道を走る車。ロング、固定。波音とエンジン音。
C06(8秒)フロントガラス側から見た車内の2ショット。運転する A と助手席の K の顔が映る。固定。K「この間みんなで行ったとこ?」 A「そうそう。あそこ良かったよね」
C07(6秒)手元のクローズアップ。K が缶コーヒーを開ける。ダッシュボードに A のコーラ。固定。プルタブの音。
C08(6秒)窓を開けた K。風に髪をなびかせた横顔。クローズアップ。風切り音。
C09(8秒)フロントガラス越しに海が見えてくる。二人の後頭部のシルエット。固定。K(オフ)「見えた」
C10(5秒)海沿いの駐車場。舗装の枠の中に停まった車と、そこから砂浜へ降りる階段のほうへ歩いていく二人。ロング、固定。ドアの開閉音、波音。
C11(4秒)誰もいない砂浜を歩く二人。ロング、固定。波音。会話は聞き取れない距離。
C12(4秒)A の主観ショット(登場人物の視点そのものとしてカメラを置くショット)。波打ち際を歩く K の後ろ姿を、少し後ろから追う。K は自分の背丈ほどの細長い流木を片手に持ち、先を濡れた砂に伝わせながら歩く。砂に一本の細い線が引かれて、カメラ側へ戻ってくる。この線が画の要点。波音。砂を踏む音。
C13(6秒)A がカメラを構える後ろ姿。ミディアム、固定。シャッター音。
C14(9秒)ファインダー越しの K。振り返って流木をこちらへ向け、無邪気に笑う。風、髪。台詞なし。波音。シャッター音。
C15(6秒)波打ち際の K の全身。砂の上に立っており、海には入っていません。流木はまだ手にあり、先を濡れた砂に置いている。ロング、固定。波音。
C16(5秒)撮れた写真の静止画インサート。ほぼ無音。かすかな波音の残り。
C17(8秒)振り向いて何か言う K の遠景。流木は下ろして砂に垂らしている。ロング、固定。声は波にかき消され気味で聞き取れない。
C18(8秒)A が背面液晶を K のほうへ向け、K は一歩離れたまま上体だけ傾けて覗き込む。二人の間には陽の透ける隙間がある。ミディアム。K「撮れてんじゃん」
C19(6秒)砂の上に並ぶコーラの瓶と缶コーヒー。クローズアップ、固定。波音。
C20(12秒)並んで座る二人の後ろ姿と水平線。ロング、固定の長回し。会話の断片(内容は聞き取れない)。笑い声。
C21(8秒)傾いた光の海と二人のシルエットの遠景。波音が引き、音楽が立ち上がって箱3の夜景へつなぐ。

合計 135秒(C01〜C21)。箱書きの設計値 2:15 と一致します。

箱2の生成上の留意点

  • SNS 画面は架空 UI。 C01・C02 は実在サービスの画面を再現せず、それと分かる架空の UI を静止画〜微細アニメーションで作ります。生成 AI でなく画像編集で作る選択肢もあり、その場合も AI 利用開示に工程を記載します。
  • 走行カットの一貫性。 車の車種・色はカット間で破綻しやすい要素です。車体全体が映るカット(C03・C05・C10)は同一プロンプトの流用で揃えます。
  • 右ハンドルの左右を毎回書く(2026-08-31 の再修正)。 原案者の「box2-c04: まだ車内が変かも。右ハンドル、左が助手席だよね」「box2-c07: K は左の助手席にいるはず」。日本車は運転席が右、助手席が左。これがカメラ位置によって画面のどちら側に出るかを、カットごとに書き下します。
    • 車を正面から(C06) — 運転席=A は画面左、助手席=K は画面右。(このカットは合っています。)
    • 車内から前を見る(C09) — 運転席=A は画面右、助手席=K は画面左。
    • 運転席側から助手席のほうを見る(C04・C07) — カメラは車の右半分にいて左を向くので、K は画面左。ハンドルはカメラの手前側にあり、画面には出ないか、出ても右下隅に暗くボケて掠るだけ。
    C04・C07 は「ハンドルが画面左、K が画面右」という左ハンドルの配置になっていました。「誰がどちら側か」ではなく「画面のどちら側か」を書かないと、モデルは五分五分で外します。これは箱3・箱5の座席と同じ教訓です。
  • 車は駐車場に停める(2026-08-31 の変更)。 原案者の「通常こんなところに駐車しないはず。なんか駐車場っぽいところに停めて、歩いて海岸沿いに行くのが自然かも」。C10 は砂浜の波打ち際に車が停まっている画になっていました。海沿いの駐車場のプレートを新しく作り、舗装の枠の中に停めて、ガードレールの切れ目の階段から砂浜へ降りる導線にしました。C10 の中で二人が階段のほうへ歩き出すので、C11 の砂浜へ自然につながります。
  • K は海に入りません。 C15 で K が足首まで海に入っていました(原案者の指摘)。砂の上に立っていて、寄せた波の薄い膜が靴底に届く程度です。カメラとの間には濡れた砂があり、海はその向こうから始まります。
  • スカートの座り方。 C20 で K のプリーツスカートが砂の上に円形に広がっていました。両脚を横に折って座り、スカートは脛に自然に落ちて尻の下に巻き込まれる形にします。放射状に整えない、左右対称にしない、と明示します。
  • 箱2は私服です(2026-08-31 の変更)。 原案者の「box2 に関して言えることが男女共に制服っておかしい。サボっているなら私服で良いのでは?」を受けて、箱2の全カットを私服に変えました。C01 で A が「修了式、出るか迷うな」と書き、C02 で K が「海行こう」と返す — つまりこの日、二人は修了式に出ていません。出ていない日に制服でいるのは筋が通らないので、私服が正しい。C04 の K の「おはよう、不良少年」も、制服より私服のほうが効きます。あわせて、箱1(部室・制服)と箱2(海・私服)で服が変わることで、同じ高3の中に日常と逸脱の差が出ます。
    服は A・K のライトグレー×黒の配色から外しません。この配色は箱4の入れ替わりの韻を担っているので、高3から30代まで通します。A は洗いのかかったライトグレーのパーカーに黒のコーチジャケット、細身の黒デニム、黒のローカットスニーカー。K はオフホワイトのざっくりした大きめニットに、膝下まである黒のプリーツスカート、黒のキャンバススニーカー。3月の海風でスカートと袖が動くので、風のカット(C08・C12・C14・C15)で画が持ちます。
  • 流木は C12 から C17 まで持ち続けます(2026-08-31 の追加)。 原案者の案です。C12 で K が細長い流木を片手に持ち、先を砂に伝わせながら歩く。砂に一本の線が引かれ、それが A の主観カメラのほうへ戻ってくる — A が K の歩いた跡をなぞって歩いていることが、線一本で画になります。C14 でその流木をこちらへ向けて無邪気に笑う。C15・C17 でも持ったままにして、拾ってから飽きるまでの時間を通します。C18 以降は持っていません。小道具の参照画像は作らず、海岸のロケ地プレートに元から流木が転がっているので、その場で拾ったものとして扱います。
  • C14 は箱2の感情の要。 ファインダー越しの K の表情がこの箱の記憶の核になります。リテイク回数を最も割り当てるカットです。表情は照れではなく、無邪気な笑いです(2026-08-31 の変更。当初は「少し照れた表情」でした)。流木をカメラに向けてふざけている流れの中の笑いなので、はにかむと動作と表情が噛み合いません。
  • C18 は近づけすぎない(2026-08-31 の変更)。 原案者の「親密すぎるかも」を受けて直しました。当初は肩を並べて頭を寄せ合う指定でしたが、この時点の二人は恋人ではありません。A が背面液晶を K のほうへ向け、K は一歩離れた位置から上体だけ傾けて覗き込みます。二人の間には陽の透ける隙間を必ず残し、頭も肩も触れさせません。気安さは出しますが、親密さは出しません。
  • C12 の主観ショットは A の目線の高さで。 C11 の客観のロングから A の主観へ切り替わることで、「A が K を見ている」という視線の構造を観客に渡します。手持ちカメラ風の揺れをわずかに入れます。

箱3 屋上 — 福岡の夜景と渡米の告知(3:00)

箱3は台詞が最も多い箱です。(1) 忍び込みと乾杯、(2) 近況の他愛のない会話と撮影、(3) 片付けの依頼から渡米が明かされる転換、(4) タバコとコーラ・コーヒーの会話、の4段で構成します。25カット・計180秒です。

箱3の参照画像

  • 人物 — A 20歳版(私服の大学生)、K 20歳版(私服)。高3版と同一人物に見えることを画像段階で確認する。
  • 場所 — 夜の福岡の街並みの引き(C01用)、ビルの非常階段(C02用)、中くらいの高さのビルの屋上(周囲のビルの明かりが近く見える高さ)。屋上はマスタープレート1枚(rooftop-master)で欄干とベンチの位置関係そのものを定義し、そこからドア(-door)・欄干(-railing)・引き(-wide)・ベンチ(-bench)・空(-sky)を切り出しています。C03〜C25 の全カットはこのいずれかを参照します。
  • 小道具 — 缶チューハイ(架空ラベル)、タバコの箱2種とライター(架空銘柄)。C17 で A が出すのは A 用(生成りのソフトパック)、C19 で K が咥えるのは K 用(臙脂のハードボックス)。ここが二人の「入れ替わる前」の基準になるので、両方ともミディアムで箱の形と色がはっきり分かるように撮る。一眼レフカメラ(箱1・箱2と同一個体)、コーラの瓶。
  • 劇中写真 — A が撮った夜の K の写真(C10 の静止画インサート用。箱4 C12・箱6 C02 でも再利用)。
カット 画面の内容とカメラ 音・台詞
C01(6秒)夜の福岡の街並み。ビル群の明かり。ロング、固定。二人はまだ映らない。街の環境音。前箱から続く音楽が静かに引く。
C02(5秒)非常階段を上る二人のシルエットを下から。私服(20歳)。ロング。足音、忍び笑い。
C03(5秒)屋上のドアが開き、風が抜ける。ドア越しの構図。ドアのきしみ、風。
C04(8秒)中くらいの高さのビルの屋上。周囲には同じくらいの高さのビルの明かりが近く見え、見下ろすというより街と同じ目線に近い夜景。縁へ歩いていく二人の後ろ姿。ロング。K(オフ)「うわ、すご」
C05(6秒)缶チューハイのプルタブを開ける手元。缶が軽く当たる。手と缶は画面の隅に小さく置き、ラベルは半分しか読めない。まだ立ったまま。プシュ、という音が2回。缶の触れ合う音。
C06(8秒)ここから二人はベンチに座ります。並んで腰かけた2ショット。顔が映る。ミディアム、固定。K「大学どう?」 A「どうって言われても、普通」 K「バイトは」 A「続いてるよ、一応」
C07(7秒)笑う K の横顔の遠め。夜景の点光源が背景でぼける。固定。K「一応て」笑い声。
C08(7秒)A がバッグから一眼レフを取り出す後ろ姿。ミディアム。ジッパーの音。K(オフ)「まだ持ち歩いてんだ」
C09(8秒)ファインダー越しの K。夜景バック、缶チューハイを持ったまま。これは A の視点なので、画に写るのは K ひとりです。シャッター音。
C10(6秒)撮れた写真の静止画インサート(夜の K)。ほぼ無音。
C11(8秒)会話が途切れた間。夜景の引きの画に二人が小さい。ロング、固定。風。遠くの車の音。
C12(7秒)夜景を見たまま話す K の横顔。ミディアム。K「今度さ、うち片付けんの手伝いに来てよ」
C13(6秒)A の顔。カメラを持つ手が止まる。ミディアム。A「どうして」
C14(8秒)初めて A の方を向く K の顔。なんでもないことのように言う。ミディアム。K「引っ越すから。……海外。アメリカ」
C15(10秒)A の顔の長回し。言葉を探して、結局夜景へ視線を逃がす。ミディアム、固定。無言。風の音だけ。
C16(6秒)ベンチの座面、二人のあいだの隙間に並ぶ缶チューハイ2本のクローズアップ。固定。風。
C17(7秒)いたずらっぽく A を見る K。A がポケットからタバコの箱を出す。ミディアム。K「そういえば、タバコ吸い始めたんだ」
C18(7秒)火を点ける A の顔。煙越しの照れ笑い。クローズアップ気味。A「なんか、やってらんなくてさ」ライターの音。
C19(6秒)自分のタバコを咥えて笑う K の横顔。夜景の光。ミディアム。K「私も」
C20(8秒)夜景に流れていく二筋の煙と、二つの小さな火。ロング、固定。風。かすかな街の音。
C21(7秒)コーラの瓶を持ち上げてみせる A の得意げな顔。ミディアム。A「最近気づいたんだけど、コーラとタバコ、意外と相性いいんだよ」
C22(7秒)あきれて笑う K の顔。ミディアム。K「コーラは子供すぎるでしょ。私はコーヒー派だな」
C23(8秒)笑いの余韻。二人と夜景のロング。煙が消えていく。固定。笑い声が風に混ざって消える。
C24(10秒)ベンチに並んで座る二人の後ろ姿の長回し。手前がベンチ、その向こうに欄干と夜景。二人の距離は近いが触れない。固定。無言。街の音。
C25(9秒)カメラが夜空へゆっくり上を向く(ティルト)。ビルの光が画面下へ抜けていく。音楽が静かに立ち上がり、箱4のモンタージュへつなぐ。

合計 180秒(C01〜C25)。箱書きの設計値 3:00 と一致します。

箱3の生成上の留意点

  • C06 からはベンチに座ります。屋上の空間は次のとおり固定です(2026-08-31 の変更、同日に再定義)。 原案者の「なんかベンチがあればそこに座った方が自然かも。ずっと立ちっぱなしはおかしいので」「総じて箱3に関しては椅子の向いている方向と2人の位置関係に一貫性がない」を受けたものです。3分の箱をずっと立ち話で持たせるのは不自然でしたし、ベンチを置いただけでは今度は向きと左右が毎カット変わりました。空間とカメラの両方を書き下します。
    • 空間 — 手すりのついたパラペットが床の奥の縁、塔屋と貯水タンクが手前の縁。その間、パラペットから3〜4歩下がった開けた床にベンチが1脚あり、座面はパラペットと夜景のほうを向いています。灰色に枯れた木のスリットの座面と低い背、錆びた鋼のフレームに斜めの筋交い。前にも後ろにも歩ける床があり、パラペットにはくっついていません。
    • 座り方 — 二人はその1脚に並んで腰かけ、同じ方向(パラペットと夜景)を向きます。座面は1枚で連続していて、一人の下から隙間を跨いでもう一人の下まで、同じスリットの列が途切れずに続いているのが画に見えていること。距離は50cmほど。向かい合わせにしない、2脚に分けない、椅子を足さない。ベンチの(ベンチ自身から見て)右半分が A、左半分が K。これは変わりません。
    • カメラは3種類しか使いません。これ以上増やすと左右が破綻します。
      • 正面(F) — ベンチとパラペットのあいだに立ち、夜景に背を向けて二人を見る。K が画面左、A が画面右。背景は床・塔屋・貯水タンクと、屋上の他の縁の向こうに見える隣のビルの明かり(この屋上は四方をビルに囲まれています)。C06・C13・C14・C15・C17・C18・C21・C22。単独カットのときは寄りたい側へカメラをずらし、もう一人は画面の端にボケた肩として入るだけにします。
      • 背面(B) — ベンチの後ろ、塔屋側に立ち、二人越しに手すりと夜景を見る。A が画面左、K が画面右。ベンチも二人もカメラ側にあり、手すりは二人の肩の向こうを横切ります。C08・C11・C20・C23・C24。
      • 横(S) — 必ず K 側の端から、ベンチの長手方向を見る。ベンチは画面の右へ伸び、K が手前、A が奥。二人は画面左を向いています(そちらにパラペットと夜景があるため)。手すりと街明かりが背景の左半分を占め、塔屋は右。C07・C12・C19。A 側の端からは絶対に撮りません(左右が反転するため)。
    • 人物が画にいるカットには、端のボケた肩でも参照画像を入れます。 C13・C18 で K が別人になっていたのは、この2カットのプロンプトに K の参照が入っていなかったためです。箱1 C09 とまったく同じ原因でした。
  • C05 は CM に見せない(2026-08-31 の変更)。 原案者の「もう少しさりげないカットで。缶チューハイのCMっぽく見える」。当初は2本の缶を画面中央に大きく、対称に、リムライトを当てて置いていました。飲料広告そのものです。手と缶を画面の隅に小さく寄せ、缶を半分陰にして銘柄名が読み切れないようにし、乾杯のポーズではなく偶然当たった程度にしました。画の大半は濡れた床と夜景に渡します。
  • 長回し2カット(C15・C24)の生成尺。 多くの映像生成ツールは1回の生成が5〜10秒程度のため、10秒の長回しは2生成をつなぐ前提で、つなぎ目が目立たない静的な構図にしてあります。
  • 夜景の一貫性。 福岡と分かる実在ランドマークをどこまで写すかは要判断です。実在の街並みの生成は形の破綻が目立ちやすいため、点光源のぼけを多用して具体的な建物の描写を避けています。
  • 飲酒・喫煙は20歳の二人。 私服・大学生の外見(キャラクターシートの20歳版)で生成し、高校生に見えないことを各カットで確認します。
  • 転換点は表情演技が主役。 C13〜C15 は A の無言の表情がシーンの重さを決めます。表情の機微は生成のリテイクが最も要る箇所なので、リテイク回数の配分をこの3カットに寄せます。

箱4 モンタージュ — 嗜好の入れ替わり(1:30)

箱4は台詞なし・音楽主導のモンタージュです。日本の A とアメリカの K を交互に映し、「飲み物の画」の入れ替わりだけで数年の疎遠を語ります。日本側は夜の寒色、アメリカ側は昼の乾いた暖色で画調を分けます。16カット・計90秒です。

箱4の参照画像

  • 人物 — A・K の20歳版〜現在版への移行期の外見(服装・髪型のバリエーションを数種。年月の経過を服装で示す)。
  • 場所 — 空港の出発ゲート(C01用)、A の部屋(机とベランダ。C02・C04・C08・C10・C12用)、日本の喫茶店(C06用)、K のアパート(窓・デスク・冷蔵庫・非常階段。C03・C05・C09・C11・C13用)、アメリカのコンビニ(C07用)。日本=夜の寒色、アメリカ=昼の乾いた暖色のトーン指定込みで作る。
  • 小道具・画面 — タバコの箱2種(箱3と同一。C08・C09 で持ち主が入れ替わる)、コーヒーカップ、コーラの瓶、スマートフォンの架空メッセージ画面(C04 の打ちかけメッセージ用)。指輪は箱4では写しません。
  • 静止画素材 — 同ポジションの空4種(桜・雨・雪など。C14用)、劇中写真2枚(箱2のビーチ、箱3の夜の K。C12・C13 の再利用元)。
カット 画面の内容とカメラ 音・台詞
C01(6秒)空港の出発ゲートへ歩く K の後ろ姿とスーツケース。ロング。音楽(以降、箱4全体を通す)。空港のアナウンスがかすかに。
C02(6秒)【日本・夜】A の部屋の机。コーラの瓶。固定。音楽。
C03(6秒)【アメリカ・昼】K のアパートの窓と乾いた光の街並み。固定。音楽。
C04(6秒)【日本】A のスマートフォン。打ちかけのメッセージを消す手元のクローズアップ。音楽。タップ音はさせない。
C05(6秒)【アメリカ】K のデスク。飲みかけのコーヒーカップの横に、買ってきたばかりのコーラの瓶が一本だけ、紙袋を根元に巻いたまま置かれている。二つの飲み物が初めて同じ机に載る。固定。音楽。
C06(6秒)【日本】喫茶店で A の前にコーヒーが置かれる手元。初めての注文。カップがソーサーに載る音だけ立てる。
C07(6秒)【アメリカ】コンビニのレジでコーラを買う K の手元。音楽。
C08(6秒)【日本・夜】ベランダでタバコに火を点ける A の横顔。コーヒー片手。ミディアム。音楽。ライターの音をかすかに。
C09(6秒)【アメリカ・夕】非常階段に座る K。タバコとコーラの瓶。ロング。音楽。
C10(6秒)【日本】A の机の俯瞰。コーラは影も形もなく、代わりにドリッパー・紙フィルター・豆の袋・手挽きミル・マグが机の隅に寄せてある。固定。音楽。
C11(6秒)【アメリカ】K の冷蔵庫を開けると、コーラの瓶が並んでいる。音楽。
C12(6秒)【日本】A の部屋の片隅の引き。本棚の側板に、屋上で撮った夜の K の写真が黄ばんだテープで少し斜めに貼ってある。文庫の山が下の角にかかっている。引きでは目に留まらない小ささで、そこからゆっくり寄って写真で止まる。人物は写らない。音楽。
C13(6秒)【アメリカ】K の部屋の片隅の引き。冷蔵庫の扉の下のほう、端に寄った位置に海の写真(箱2の1枚)がマグネットで留めてあり、紙片が角にかかっている。C12 と対で、同じくゆっくり寄って写真で止まる。人物は写らない。音楽。
C14(12秒)季節の移り変わり(桜、雨、雪の同ポジションの空)。箱4の結びのカットで、ここだけ他の倍の尺を取り、季節が三度めぐるまでを見せる。音楽がゆっくり落ち着き、箱5の店内の環境音へつなぐ。

合計 90秒(C01〜C14)。箱書きの設計値 1:30 と一致します。C14 以外の13カットをすべて6秒で揃え、結びの C14 だけ12秒を取っています。音楽主導のモンタージュなので、等間隔の脈が続いたあと最後だけ倍に伸びる形が編集上も扱いやすくなります。

箱4の生成上の留意点

  • タバコの箱も入れ替わります。 C08 でベランダの A が持っているのは K 用の臙脂のハードボックス、C09 で非常階段の K の傍らにあるのは A 用の生成りのソフトパックです。飲み物の入れ替わりと同じことが、説明なしにタバコでも起きています。絶対に寄らず、指し示さず、台詞でも触れません。画の中に置いてあるだけにします。気づく観客だけが気づけばよい細部です。なお C09 はロングなので、箱はこの尺では判別できません。K 側で入れ替わりが読めるのは箱5 C07 です。
  • C02 のコーラは机の上に置きます。 原案者の「なぜPCの上にコーラがあるの?」。ノートPCの上に瓶が立っていました。木の天板の、キーボードから離れた空いたところに、人が実際に飲み物を置くように置きます。PCの上・キーボードの上・本の上・スピーカーの上には何も載せません。
  • C10 のコーヒーの染みは無くしました(2026-08-31 の変更)。 原案者の「コーヒーのしみの輪が不自然。無くしていいかも」。初稿では「コーヒーの染みの輪が増えている」ことで年月と嗜好の変化を語らせるつもりでしたが、生成すると輪が装飾的に並んで嘘っぽくなります。染みではなく、道具で語ります — ドリッパー、紙フィルター、口を巻いた豆の袋、手挽きミル、マグ。染みより、道具が増えていることのほうが「習慣になった」を伝えます。プロンプトには「机に輪染みを一切描かない」と明示しています。
  • C12・C13 は「飾ってある」画にします(2026-08-31 の変更、同日に再調整)。 原案者の「部屋の片隅に飾ってる方が現実感ある」。当初は A が写真を見返して引き出しに仕舞い、K が財布から出して仕舞う、という手元のカットでした。芝居が説明的すぎるうえ、写真を隠している人にしか見えません。二人とも、相手の写った写真をとっくに部屋に貼ってあって、もう見ていないという画に変えました。A は机の脇の壁にテープで、K は冷蔵庫の扉にマグネットで。どちらもほかの写真やメモに紛れていて、寄りも、そこだけピントを合わせることも、手を伸ばすこともしません。捨てていないことだけが分かればよいカットです。人物は写りません。
    1回目は「あからさますぎる」(原案者)ので置き場所を下げました。額に入れて棚の空きに飾ったような、冷蔵庫の扉のど真ん中に貼ったような画になっていました。A の写真は本棚の側板に黄ばんだテープで少し斜めに、文庫の山が下の角にかかった状態。K の写真は冷蔵庫の扉の下のほう、端に寄せて、紙片が角にかかった状態。どちらも画面幅の10分の1ほどで、引きでは真っ先に目が行かない大きさです。キーフレームはこの引き(寄りの手前)で、カットとしてはここからゆっくり写真に寄って止まります(原案者の「それにクローズアップしていく方が自然」)。置き場所のさりげなさが引きで伝わり、寄りで何の写真かが分かる、という順序です。
  • C05 は「一本だけ」(2026-08-31 の変更)。 原案者の「おかしいでしょ」。当初の指定は「K のデスクのコーヒーカップ。視線の先、店の棚に並ぶコーラの瓶」で、机の向こうに商品棚が並ぶという成立しない画になっていました。飲みかけのコーヒーカップの横に、コーラの瓶が一本だけ、買ってきた紙袋を根元に巻いたまま置いてある画に変えます。ずっと飲んできたコーヒーと、かつて子供っぽいと笑ったものが、初めて同じ机に載る瞬間です。冷蔵庫いっぱいのコーラは C11 の役割なので、ここでは一本に留めます。
  • 紙ものに文字を書かせない。 C12・C13 のように貼り紙・メモ・請求書が写るカットでは、生成モデルが英語らしき崩れた文字を大量に描き込みます。実際に1回目でそうなりました。「周囲の紙には読める文字・数字・ロゴを一切入れない。白紙か、皺で潰れているか、裏返しか、ピントが外れて読めない状態にする」と明示してください。画面内で読めてよいのは写真だけです。
  • 楽曲を先に決める。 この箱は音楽のフレーズにカットを合わせるため、編集前に楽曲(またはその構成案)を確定させます。カットの尺はフレーズ単位で±1〜2秒動かす前提です。
  • 結婚式の2カットは削除しました(2026-08-31 の判断)。 初稿では箱5の指輪の前振りとして C15・C16 に指輪を交わす手元を置いていましたが、原案者の「もはや、結婚式の描写不要なのでは?」を受けて落としました。この箱で結婚を語らず、箱5 C03・C04 の指輪で観客に初めて分からせます。結果として箱4は「飲み物の入れ替わり」だけを語る箱に純化し、指輪という別の情報が混ざらなくなりました。なお削除は画としても正解でした — 実際に生成した2カットは、「どちらの式か判然とさせない」ために手だけで見せるという条件そのものが無理筋で、どちらも男性同士の手に見える画にしかならなかったためです(原案者の「なんかおかしいよ、片方ドレスのはず」)。箱4の結びは C14 の空が担います。
  • 静物カットが多く、人物一貫性の負担が軽い箱です。 生成が難航した場合の尺調整(伸縮バッファ)はこの箱で行います。
  • C14 の「同ポジションの空」は、同じ構図のまま季節だけ変える連続カットです。画像生成の同一構図バリエーションで作れるため、映像生成より静止画ベースが安全です。

箱5 カフェ — 背中合わせの再会(1:30)

箱5は、それぞれ別の人と結ばれた A と K(ともに30〜35歳)が、互いに気づかないまま背中合わせに座る終幕です。顔は普通に見せ、「互いに気づかない」ことはカット割りと席の配置で伝えます。幕引きは、K の注文を聞いた友人の「コーラとタバコって合うの?」というからかいです。箱3の屋上で K が A のコーラを子供っぽいとからかった構図が、年月を経て K 自身に向けられる呼応になっています。14カット・計90秒です。

箱5の参照画像

  • 人物 — A 現在版(30〜35歳、左手薬指に指輪)、K 現在版(同)。3時期キャラクターシートの現在版で、若い時期と同一人物に見えることを画像段階で確認する。A の友人・K の友人・店員も参照画像で顔を固定する。当初はモブ扱い(服装と年齢感のみ)としていたが、C13 が K の友人の顔をミディアムで捉える本編最後の台詞のカットであり、C09 も店員をミディアムで捉えるため、モブ指定では成り立たない。参照なしで各カットを生成すると顔が毎回変わる。K の友人は正面・後ろ姿・C13 用の表情、A の友人は正面・後ろ姿(C03・C05・C14 の肩越しと引き用)、店員は正面。配色は A・K のライトグレー×黒から意図的に外す(あの配色は二人の入れ替わりの韻を担っているため、友人が入ると薄まる)。K の友人は K のボブと紛れないよう髪型を変える。指輪は A・K のモチーフなので友人には持たせない。
  • 場所 — 古い喫茶店の外観と「喫煙できます」の札(C01用)、店内。店内はマスタープレート1枚(cafe-interior-master)で仕切りの高さと長さそのものを定義し(2026-08-31 に作り直し)、そこから引き(-wide)・背中合わせ(-backtoback)・窓側(-window)・カウンター側(-counter)の4アングルを切り出しています。C02〜C14 の全カットはこの4枚のいずれかを参照し、席の造形を勝手に作り直さないこと。午後の柔らかい光。
  • 小道具 — 指輪2種(A 用・K 用で別デザイン。指輪が画に出るのは箱5だけです)、灰皿、メニュー、タバコ2種(箱3と同一の2銘柄。ただし持ち主が入れ替わっている。A の卓上に K 用の臙脂のハードボックス、K の卓上に A 用の生成りのソフトパック)。飲み物は画面に出さないため参照画像は不要。
カット 画面の内容とカメラ 音・台詞
C01(5秒)現代の街角。古い喫茶店の外観と「喫煙できます」の小さな札。ロングから札のクローズアップへ寄り。街の環境音。
C02(4秒)店内の引きの画。煙がゆるく漂う。客はまばら。固定。食器の音、静かな店内音楽。
C03(8秒)A と友人のテーブル。友人の肩越しに A の顔(30〜35歳)。テーブルの上、左手薬指の指輪。友人「で、結婚生活どうなの」 A「どうって、普通だよ。最近、家買いたいって言われちゃってさ」
C04(9秒)K と友人のテーブル。同じ構図の対で K の顔。K の指輪の手元。友人「指輪、慣れた?」 K「もう慣れた」 友人「新婚旅行、どこ行ったんだっけ」 K「ヨーロッパ回ったよ」
C05(8秒)二つのテーブルが背中合わせであることが初めて分かる引きの画。ロング、固定。両テーブルの会話がかすかに混ざる。
C06(6秒)A 側。灰皿へ灰を落とす手元のクローズアップ。友人「てかこういう店、もう珍しいよね。禁煙の時代にさ」 A「だから来てんの」
C07(6秒)K 側。タバコに火を点ける K の手元から顔へ。窓からの光。K「うちの人、タバコ嫌いだからさ。家じゃ吸えないの」友人の笑い声。
C08(6秒)背中合わせの二人を真横から捉え、二人の横顔が背中越しに対称に並ぶ構図。互いに気づかない。固定。両側の会話が遠くなり、店内音楽だけが残る。
C09(4秒)店員が A のテーブルへ来る。ミディアム。店員「ご注文お決まりですか」
C10(6秒)メニューを閉じて顔を上げる A。ミディアム。A「コーヒーで」
C11(5秒)店員が背中合わせの K のテーブルへ回る。ロング気味。足音。店内音楽。
C12(7秒)メニューを店員へ返す K の顔。ミディアム。K「コーラ、ください」
C13(6秒)意外そうに K を見る友人。ミディアム。K は答えず、ふっと笑って窓の外へ目をやる。友人「え、コーラとタバコって合うの?」
C14(10秒)店内全体の引きのロング。煙、西日、背中合わせの二組。長回し。ゆっくり暗転。環境音が引き、音楽だけが残って幕。

合計 90秒(C01〜C14)。箱書きの設計値 1:30 と一致します。

箱5の生成上の留意点

  • 友人と店員は「顔のある脇役」です。 C13 で K の友人が本編最後の台詞を言い、その顔がミディアムで写ります。C09 では店員がミディアムで写ります。二人とも参照画像で顔を固定してあるので、カットをまたいで同一人物に見えることを生成段階で確認してください。C13 の芝居は「からかい」であって意地悪ではありません。表情の参照はその方向で作ってあります。また、この画の意味はあくまで K の答えない笑みの側にあるので、友人が画を持っていかないよう抑えて演出します。
  • 入れ替わりが読める場所は C06 と C07 です。 この2カットは両テーブルの手元を対にして見せるクローズアップで、箱が手のスケールで写る唯一の機会です。A 側の灰皿の脇に K 用の臙脂のハードボックス、K 側の卓上に A 用の生成りのソフトパックを置きます。順序が効きます — 先に C06・C07 で箱が入れ替わっているのが画に出て、そのあと C10 で A が「コーヒーで」、C12 で K が「コーラ、ください」と注文して裏づけられます。気づいた観客は台詞の前に分かっている状態になります。ここでも寄りを足したり照明で強調したりはしません。
  • 幕引きは友人のからかい。 C13 の「コーラとタバコって合うの?」が本編最後の台詞です(2026-08-27 のコメントで追加。箱3 で K が A に向けた台詞の呼応)。K は言葉で答えず、笑みだけで受けます。飲み物が運ばれる画はあえて見せません。
  • 30〜35歳版の参照画像が前提。 A・K の現在時点のキャラクターシートを先に画像で確定し、箱1〜箱3の若い外見と同一人物に見えることを画像段階で確認してから動画生成に進みます。
  • 指輪は2種類で、初出はここです。 A と K の指輪は別デザインにし、夫婦と誤読されないようにします(固定要素の節に記載)。箱4の結婚式カットを落としたため、観客が二人の結婚を知るのは C03・C04 の指輪が最初になります。前振りが無くなったぶん、C03・C04 では指輪が確実に読める寄りを確保してください。
  • 席の配置は固定です。ここを言葉で決めておかないとカットごとに破綻します。 実際に二度破綻しました。初回生成では14カットのすべてで席の形が違い、二卓が離れていたり、四人が一列に並んでいたりしました。作り直したあとも、原案者から「box5-c03 とか box5-c04 では、なんか区切りの壁が短いので一貫性に欠ける」という指摘が出ています。2026-08-31、カフェ店内のマスタープレートから作り直し、空間とカメラの両方を書き下しました。
    • 仕切りは「壁」です。 店の中央を、ほぼ店の端から端まで、背中合わせのバンケット席が走ります。1枚の仕切りの両側に、それぞれ長い座面が付いた構造です。仕切りは濃い木の一枚板に框(かまち)の装飾が入った無垢のパネルで、上端に見切りの笠木が回っています。高さは床から約1.6m、座った大人の頭より明らかに高い。ソファの背もたれではなく、ベンチが付いた室内壁として読ませます。切れ目も開口もなく、たいていの位置からは端が見えません。「気づかない」は演技ではなく空間の帰結です。
    • 窓側が K、カウンター側が A。 窓側にはレースのカーテンの掛かった高窓と午後の光、カウンター側にはサイフォンの並ぶ濃い木のカウンター。K と A はそれぞれ仕切りに背を預けてベンチに座り、友人は向かいの椅子に座ります。したがって二人は仕切り1枚を挟んで背中合わせです。
    • カメラは3種類しか使いません。
      • 長手(L) — カウンター側の端に立ち、仕切りの長手方向を見る。窓側=K と女友人が常に画面左、カウンター側=A と男友人が常に画面右。仕切りは手前端がいちばん近く、笠木とパネル面が奥へ伸びていくので、「長い壁」であることが画で分かること(柱や衝立に見せない)。C02・C05・C08・C11・C14。
      • K のテーブル(K) — 窓側、K の向かいの椅子の位置から K を撮る。K の背後で仕切りが画面の左端から右端まで全幅を埋めます。仕切りの端は見えず、その向こうの部屋も窓も戸口も見えません。パネルは頭のはるか上まで続きます。C04・C07・C12。
      • A のテーブル(A) — カウンター側、A の向かいから。上と同じくA の背後を仕切りが全幅で埋めます。C03・C06・C09・C10。
      • (C13 だけは K の席から友人を返しで撮るので、友人の背後は窓です。仕切りはカメラの後ろにあります。)
    • C08 は向きを間違えやすい。 二人の背中が仕切りに付いているので、それぞれ仕切りから離れるほうを向きます — K は画面の左端のほう(窓)、A は画面の右端のほう(カウンター)。向かい合わせにしない、内側を向かせない。生成では実際に内向きになりました。
    • K の友人は女性、A の友人は男性です。 C04・C13 に写るのは女性です。C04 はテーブルにちょうど2人(K と友人1人)で、3人目を出しません。

箱6 エンドロール(0:45)

本編で A が撮った写真(劇中写真)を背景にクレジットを流します。3カット・計45秒です。

箱6の参照画像

  • 静止画素材 — 劇中写真パック(箱2のビーチの K 数枚、箱3の夜の K 数枚。本編の生成時に確定したものを再利用)、タイトルロゴ。人物・場所の新規参照画像は不要。
カット 画面の内容とカメラ 音・台詞
C01(15秒)ビーチの写真(箱2の静止画群)を背景に、キャスト・スタッフのクレジット。主題曲。
C02(15秒)屋上の写真(箱3の静止画群)を背景に、クレジットの続き。主題曲。
C03(15秒)黒地にタイトルロゴ。その下に使用した生成 AI ツールの一覧クレジット(提案)。主題曲が終わる。

合計 45秒(C01〜C03)。箱書きの設計値 0:45 と一致します。使用ツールの一覧を画面に出すのは義務ではなく(開示義務はエントリーフォームで果たします)、誠実さの表明としての提案です。

初稿全体の申し送りと次工程

初稿全体で、原案者に判断してほしい点は次のとおりです。

  • A と K の基準声の方向性。 音声変換の目標となる声(声の高さ・年齢感・話し方)を決める必要があります。高3から30代までを同じ声で通すか、時期で年齢感を変えるかも論点です。
  • 仮台詞の言い回し全般。 特に箱3 C06〜C07・C12〜C14 と箱5 C03〜C07 は人物の口調を決める台詞なので、口述での上書きを歓迎します。
  • 箱6 C03 の生成 AI ツール一覧クレジットの採否。

次工程は、(1) 参照画像パックの作成 — A・K のキャラクターシート(高3・20歳・30〜35歳の3時期)、ロケ地4箇所(部室・海岸・屋上・カフェ店内)、主要小道具を画像生成で確定する、(2) 使用する生成 AI ツール(動画生成・画像生成・音声変換・音楽)の選定と記録簿(AIFJ の開示義務対応)、(3) A・K の基準声の決定、(4) 箱4の楽曲の方針決め、です。

出典一覧

[hakogaki (2026/08)] 箱書き. docs/20260827-cigarette-hakogaki.html(本リポジトリ内、10分構成版)

[aifilm-jp (2026/08)] AI Film Festival Japan. "第2回 AI日本国際映画祭". https://aifilm.jp/

台詞の仮文言・カット割り・カメラ指定は本ドキュメント作成時の提案(自作)です。会話の要点・構成・尺は箱書きに従っています。